イタリアでは Caffe と言えばエスプレッソ (espresso) のことを指す。 従って, 小さなカップに1/3くらいしか入っていない。 そこに砂糖をどばっと入れて, あまり時間をかけずに飲んでしまうのが正しい飲み方である(と思う。) 最後に, 底の方にたまった砂糖をすくってなめれば完璧である。(誤解ないように書いておくと、もちろんこれは人による。)
1997年6月現在 Bar ではカフェの値段は L.1.300 から L.1.500 くらいである。 日本円にして100円くらいだろう。 そういう訳で数人で飲みに行く場合には一人が全員の分を払うのが基本。 イタリアに来て間もない頃イタリア人と一緒に Bar に入ったときに自分の分を払おうとすると, 何とお店のお姉ちゃんから「イタリアではこういうときは割り勘にしないのよ」と言われた。 (もっともイタリア語は分からんので, 身振りとか感じからそういう風に感じただけなのだが。)
また, caffe e latte (ミルク入りコーヒー) や Cappuccino なんかは朝の飲み物で, 午後に飲んではいけない。 (実際は飲んでいる人もいるが。) 日本で良く飲むようなのを飲みたければ "Un caffe lungo." などと頼めば良い。 それでも日本で出てくるより量は少ない場合が殆どだ。 豆の量は同じで水の量だけ違うので値段は変わらない。 しかし, 日本でいうアメリカンを飲みたい場合はどうすればいいのだろう。 「地球の歩き方」には caffe americano と書かれていたが…。
Bar で Caffe を頼むと小さなチョコレートが付いてくることがある。 これを何時食うべきかが問題である。(でもないか。) とあるイタリア人に聞いたところ, 私は初めに食うが, 特に決まってはいないという返事だった。 非常にまっとうな答である。
家でといっても, 私は結局友人の家に招かれたときに一度も caffe は飲まなかったような気がする。 (食後には大抵, 水か grappa を飲んでいた。) その代わり宿ではときどき備え付けの簡易エスプレッソ製造器で作っていた。 こいつは四つの部品からなる。
まずは C に豆を入れる。けちってはいけない。濃いやつが基本である。 次に D に水を入れる。ほぼ飲む量を入れればよい。 で, C を D に差し込んでから B と合体させ, A の蓋をして電熱器の上に載せる。 (ガスの場合はどうするんだろう?) D の水が蒸気となって C を通り, B の中に底のフィルターから中の管を通って落ちる。 要するに普通のコーヒーメーカーの仕組と同じである。
ポコポコ音がしたら出始めた証拠で, それが収まるくらいの時にカップに入れる。 このタイミングは, とある人によると重要なのだそうだ。 しかしその人は日本人で, しかもこうやって作った espresso に牛乳を入れて飲んでいるという邪道なことをしている人なので, どこまで本当なのかは疑問である。 が, 時間が経ちすぎるとまずくなるのは確かなことのようだ。